流体解析のあれこれ

流体解析をこよなく愛する有限体積法の信者によるブログ

スタッガード格子とコロケート格子

1973年に速度成分以外のあらゆる物理量をセル中心に,速度成分をセル界面に定義するスタッガード格子が提案された.その後,1983年にRhie-Chowの補間が発表されて以来,速度成分を含むあらゆる物理量をセル中心に定義するコロケート格子を用いて,チェッカーボード圧力場と呼ばれる非現実的な市松模様の圧力場を生じることなく流体解析を実施することができるようになった.その後,複雑な形状を有する解析対象を取り扱うことができる境界適合格子を,近年では,非構造格子を用いた流体解析が当たり前のように行われるようになってきた.境界適合格子と非構造格子ではいずれも速度成分をセル界面に定義するモーメンタムセルを定義できないため,これらの格子ではコロケート格子を用いなければならない.そのため,Rhie-Chowの補間は流体解析において極めて重要な方法論であると言える.