流体解析のあれこれ

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Flamelet-Generated Manifolds (FGM)法

Flamelet-Generated Manifolds (FGM)法はvan Oijen and de Goey (2000)が提案するFlamelet approachの一種であり,間接的ではあるものの詳細化学反応機構を考慮可能な燃焼モデルの1つである.当初は,詳細化学反応機構を用いて種々の熱損失下において一次元の予混合火炎の計算を実施し,エンタルピーと反応進行変数として酸素の質量分率をControlling Variable (CV) (Flamelet/Progress-Variable (FPV)法におけるProgress Variableに相当)として,混合ガスの温度,化学種の濃度,物性値とCVの正味の生成速度などの数値解をFlamelet tableと呼ばれるデータベースに保存する.この際,距離に対する数値解をCVに対する数値解に変換し,エンタルピーとCVをパラメータとするデータベースとする.目的の燃焼シミュレーションでは,流れの計算に加えてエンタルピーとCVの正味の生成速度を生成項に持つCVの保存式を解き,各計算格子において求めたエンタルピーとCVをパラメータとしてFlamelet tableを参照することで,混合ガスの温度,化学種の濃度,物性値とCVの正味の生成速度などの変数を決定する.なお,流れの計算に反映されるのは,混合ガスの物性値とCVの正味の生成速度である.そのため,化学反応速度を生成項に持つ化学種の保存式を解く必要なく,間接的ではあるものの詳細化学反応機構を考慮した燃焼シミュレーションを実施することが可能である.