流体解析のあれこれ

流体解析をこよなく愛する有限体積法の信者によるブログ

Ghia et al. (1982)のキャビティ流れ

流体解析に限らず,in-houseの計算コードを開発する上で,計算コードの妥当性の検証は必要不可欠である.検証問題としては,

  • 実験における測定値
  • 解析(厳密)解
  • 数値解

が考えられ,測定値は主に「正しい基礎式を解いているか」を検証するため,解析解と数値解は「基礎式を正しく解いているか」を検証するために用いられる.今回紹介する検証問題である「Ghia et al. (1982)のキャビティ流れ」は後者に該当し,上部壁のみ移動壁,その他すべての壁を固定壁とする正方形内に生じる二次元の流れ場を対象としている.種々のレイノルズ数において,流れ関数-渦度法を用いて求めた定常状態における流れ場として,各軸に平行な中心線上における各方向の速度成分が提供されている.この検証問題では,主に対流項の離散化スキームの精度について議論されることが多いように思われる.

1) Ghia, U. et al., High-Re solutions for incompressible flow using the Navier-Stokes equations and a multigrid method, 48(3), 387-411 (1982)